マンデリン インドネシア スマトラタイガー

原産地:インドネシア
産地:北スマトラ州
品種:アテン、ジュンベル、シガラウータン、オナンガンジャン
収穫:2017年10月〜12月

プロファイル:

ドライフルーツやタン(革)を思わせるマンデリンならではの香りがします。液体を口に含むとドライマンゴーの様なマイルドでとろみのある甘さを感じます。

オススメ:

マグカップに淹れて、時間の経過と共に変わる風味を感じてみてください。落ち着いた照明の下で、ゆっくり音楽でも聴きながらリラックス、そんなシチュエーションにぴったりです。


【インドネシア】

インドネシアは赤道直下の島国です。コーヒーの歴史は古くオランダ人がイエメンから苗木を持ち込み、栽培が始まりました。順調にコーヒーを生産していましたが、コーヒーの葉っぱが錆びた様になる病気(さび病)で壊滅的な被害を受けてしまいました。その後、インドやジャワ島は紅茶の栽培が盛んになり現在もチャの生産が続いています。インドネシアはさび病に強い品種(カネフォラ種、ロブスタとも呼ばれます)を栽培し復活しました。現在は、被害を免れたアラビカとロブスタの両方を生産しています。

【独特なスマトラ方式】

インドネシアの独特の処理方式「スマトラ式」で仕上げられた「マンデリン」は非常に有名です。通常は殻が付いた状態(パーチメント)で乾燥させてから脱殻してグリーンビーンを取り出しますが、熱帯雨林気候のインドネシアでは雨に当たらない様に素早く乾燥させたい為、殻を剥き生豆を直接乾燥させて作ります。この作業で独特な風味が生まれ、エメラルドグリーンのみずみずしい生豆をまといます。人によっては、生豆の直接乾燥の際に土地に根付く酵母などの菌類が風味の醸成を支えているとも言います。たしかに、スマトラ島の「マンデリン」やスラウェッシュ島の「トラジャ」など風味特性が異なる事もうなずけます。

【緊張する一瞬】

多くの珈琲愛好家を虜にするマンデリン。なめし革を連想させる深く重厚な風味、口当たりはまろやかで、丸くマンゴージュースを連想させる様なとろみ。生豆の質はもちろんですが、焙煎前のハンドピックには神経を使います。ダメージを受けた豆や大きく割れてしまった豆、乾燥が不均一で白く白化してしまった豆など焙煎した後に影響を及ぼす豆は丁寧に除去します。焙煎も焼き時間を短すぎず長すぎず。短ければパンチの効いた風味が現れますが重厚さは失われ、長ければ風味が抜けてボヤけてしまいます。いつも室温と火力の調整に神経を使いながら、当店で一番深いフレンチローストで仕上げています。釜から出てきたしっかりと伸びたツヤツヤの豆を見て緊張していた顔がほころびます。


千一珈琲について

通りの奥

山形県鶴岡市の山王通り商店街、ワタトミの裏口にお店はあります。通りから一本入った静かな場所。お店の横には大正時代に建てられた蔵があり、鶴岡の歴史を感じられます。

心の恩師の言葉を胸に

自家焙煎のコーヒー屋さんは、今となっては珍しくありません。店主は「正しい珈琲を多くの人に飲んで頂きたい」との願いから、コーヒー豆専門のお店を静かなここ鶴岡に開きました。

すべては正しい珈琲のために

コーヒー豆の選別、焙煎はもちろん「自分の手」で一つ一つ行います。また、可能な限りコーヒー豆の栽培現場へ赴き「自分の目」で確かめます。