原産国:ブラジル
産地:ミナスジェライス州
生産者:アレッサンドロ・アルベス・エルバス
ロースト:City〜City+
収穫:2018年8月

プロファイル:
口に含んだ瞬間、ふくよかな口当たりと香りがとても心地良く感じられます。ミルクチョコレートの様な余韻は甘く口の中に長くとどまります。ブラジルらしいナッツ感もあり、ブラジルを代表するスペシャルティーコーヒーだと思います。

オススメ:
重すぎず軽すぎず、どの場面でもお飲みいただけるコーヒーです。どなたにでも受け入れられる印象は、お客様にお出しするには最適なコーヒーだと思います。もちろん、普段使いでは1日がよりリッチになると思います。


APASを代表するコーヒー農家

サンパウロからバスで4時間、サン・ゴンサロ・ド・サプカイ市から車で約1時間山に入ったところに農園はあります。APASとはAssociaçãoDosProdutoresDoAltoDaSerraの略で直訳すると「高い山脈の生産組合」と名付けられている様に、多くのコーヒー農園は傾斜地に植えられています。アレッサンドロが所有している農地は日当たりの良い斜面にあり、その丁寧に作られたコーヒーは生産組合を代表する味といっても過言ではない素晴らしいコーヒーを生産しています。

アレッサンドロ・アルベス・エルバス

APASの責任者を務めた事もある彼は、コーヒー農家でもあり養蜂家でもある。自宅の玄関先の一角に鉢の巣箱があり、暖かい季節になると蜂の羽音で賑やかになるそうだ。彼はコーヒー専用のラボを持っており、日々自分のコーヒーを自らカッピングしている。その成果は品評会で好成績を納めるにとどまらず、世界中のコーヒーバイヤー、ロースターが彼に会いに連日訪れる。彼は、自分のコーヒーを淹れて振舞う事もすれば、会いに来た人と一緒にカッピングして世界のコーヒー市場の動向をアップデートしている。

2019年に彼を訪れた際には、標高1500mで取れた未完熟のコーヒーをカップした。未完熟のコーヒーは渋く美味いはずはないのだが、カップしたコーヒーは蒸した様な栗にレモンと蜂蜜をかけた様なその味わいに驚かされた。その驚きは、私だけではなく、グァテマラから来た客人も同じ感想をいだいていた。彼に「どうやって作ったんだい?」と聞くと「ベルジの豆を丁寧に選別して日陰で干しただけだよ」普通なら二束三文にしかならない国内流通に回すのが常のベルジを、丁寧に精選して見事な逸品に仕立てた彼のひた向きさに、ただただ脱帽した。

完熟手摘み

アレッサンドロの丁寧さは収穫の仕方から異なる。ブラジルの農園大小に関わらず機械での収穫が多い。広大な土地に植えられたコーヒー豆が一斉に収穫時期を迎える為だ。もし、収穫が遅れてしまうと雨が降ってしまい、乾燥ができなくなってしまう。それは、その年の収入が無くなる事を意味する為、農家はコスト要求に応える為、無理をしてでも収穫機械を買って早く収穫できる様にする。味にこだわりを持つ農家では、手摘み収穫を行う。ブラジルの伝統的な手摘み収穫は枝をシゴく様にして果実を地面に落とす。落ちた果実をペネイラ(ざる)に取り大きく振って果実と葉っぱをより分けて、果実を袋詰めにする。なんとも豪快だ。熟練のピッカーならセレージョ(完熟豆)だけをシゴき落とすことができる。

アレッサンドロはコーヒーの品質を高める為にコロンビアなど山間部のコーヒー産地で行われているセレチーボ(一粒一粒獲る方法)を行なっている。ピッカーはコーヒーの枝の下にペネイラを入れ、枝から一粒一粒選択しながら収穫する。冬とは言え、日中の農場の気温は30度を超え、日差しが痛い。根気があると言われる日本人でもギブアップする様な環境の中、ピッカーは丁寧に一粒一粒収穫していく。「こんな収穫をしていたら収穫時期がおわってしまうよ」というと「完全に完熟したバイオレットだけを収穫するにはこの方法しかないんだよ。乾燥場は雨が降っても大丈夫な屋根がある場所もある。心配はいらないよ。」と言った。この作業を11月ごろまで続けると話していた。品質に対する情熱、いや信念がなければできない作業だと思った。

ブラジル通いの成果

千一珈琲がオープンしてから念願の当店だけで取り扱いができるコーヒーとなっています。アレッサンドロのコーヒーはコーヒー好きなら知っている様なお店にも供給しています。開店してから約2年で取り扱いができる様になったのも、お客様に支えられてブラジル通いした成果だと思っております。フォルタレーザ農園からセレチーボで収穫されたロットを千一珈琲で全て買い上げております。小さなロットですので、売り切れになりましたらご容赦ください。ロースティングはCityからCity+で焙煎。口当たりと風味を最大限に引き出せる様に焙煎しています。