地方移住して思った事

2016年5月過去のブログを再編集しています。

千一珈琲 岡部です。

鶴岡に移住してまだ日も浅く、毎日目にすること耳にすることが新鮮な日々です。

東京から地方に移住してまず最初に思った事は、ご飯が美味しいという事です。その土地で取れる「旬」食材が一番美味しい時期に贅沢にいただく。住んでいると、当たり前で気づかないですが、とても贅沢な事だと思います。鶴岡の食文化はとても豊かでバラエティーに富んでいます。特に春先には山菜や筍など豊富な山の幸で食卓が賑やかになります。特に、筍は「孟宗汁」がよく食べられます。

ある日、私は料理が趣味なので見よう見まねで孟宗汁を作ってみたのですが、家内からはなんとなく違うと言われました。筍、椎茸、厚揚げ(庄内では油揚げと言います)、豚肉、味噌に酒粕で作るのですが、全て鍋に入れてグツグツ煮込みます。そのアツアツになった筍をほうばるのが良いのだそうです。私が最初に作った孟宗汁は豚汁に筍が入ったような感じで作ったのですが、庄内の人からすると全く別の物になるようです。

食べる側が期待している味と、作る側が「美味しい」と思って出す物のギャップがあることに改めて気付かされました。孟宗汁のようにその季節だけにしか味わえない味があるのであれば、その味をちゃんと期待を裏切らないで提供する。食べてが主役である事を忘れてないけない、そんな基本的なことを学び直した瞬間でした。

IMG_2204

千一珈琲の店主