原産国:グァテマラ
産地:シエラデラスミナス地区アカサグアストラン
農園名: ベラ農園
生産者: テオドロ・インゲルハート
品種: マラゴジーペ
標高: 1,660m
精製処理: Washed(水洗式)
【どんな印象?】
とにかくインパクトのある大粒豆が目を引く。味わいは、穏やかで上品な印象。角がなく丸い印象のコーヒー。
【コーヒーを淹れるときは?】
湯温低めで淹れると甘さが引き立つと思います。煎りぐあいも中煎りなので、豆の特性と合わせて低めが良いと思います。
【マラゴジーペの印象は?】
当店の大粒品種はジャバニカやマンデリン(馬面)、パカマラなど扱ってきましたが、ここまで大きなのは初めて。コーヒー豆の大小はさほど味には影響しないのですが、コロンビアの様に大きいことは良いことととらえるむきもあります。朝のコーヒータイムで大粒豆をミルにいれる瞬間の優越感は他の豆と一線を画します。
【酸味や苦味、コーヒー全体の印象は?】
マイルドで飲みやすい。近年のSCAやCOEの甘さ重視の傾向をとらえているのかもしれません。
【甘みや後味の印象は?】
甘味は申し分ないと思います。
【どんな時にオススメ?】
休日の朝のコーヒータイムにピッタリです。
【他のRPポイントは?】
ラ・ベィヤ農園は1965年にテオドロ・インゲルハート2世によって設立され、現在は3世(父)と4世(息子)が管理しています。代々「テオドロ」の名を受け継ぐ一家で、すでに5世も誕生しています。農園の名前は、創設者が農地の美しさに感動し、スペイン語の「Bella(美しい)」に由来。1950年代のコロンビアの名農園「ラ・ベィヤ」にもあやかっています。

農園は200ヘクタールの広さがあり、そのうち60ヘクタールでコーヒーを栽培。標高1,400?1,600mに位置し、ブルボン、ヴィジャ・サルチ、カツーラ、パカマラ、サチモールなどを生産。ブルーマウンテンも少量残存しています。年間生産量は約600袋と控えめですが、アボカドの品質が高く国際会議にも参加。アボカドのバターのような風味がコーヒーに移ることを期待し、シェードツリーにも活用しています。
農園はマイクロクライメイト(局地的気候)の影響を受け、霧が頻繁に発生。特に8?9月は雨が多く、45日間も太陽が出ないことがあるため、天日乾燥よりもドライヤーを併用。現在は平型式ドライヤーとビニールハウスを使い、アフリカンベッドとパティオの両方で乾燥方法を検証しています。

農園内には1978年に建てられたゲストハウスがあり、標高1,450mの高台に位置。地震で崩れた家の材料を再利用して改築され、杉材を使った2階部分はゲストルームとして10人ほど宿泊可能。ただし電気は通っておらず、夜は懐中電灯が必須です。
ベネフィシオ(精製所)では、パルパーとミューシレージ・リムーバーを使用し、小規模ながら効率的な精製を実施。天候が不安定なため、乾燥方法を工夫しながら品質向上に努めています。ナースリーでは新たにマラカツ(カツマラ)の栽培を開始し、4年後の収穫を目指します。植樹は細やかな作業が求められるため、女性が担当するのが慣例です。

農園内には、創設当初に植えられた40年前のブルーマウンテンの木の切り株も残されており、小ロットでの特別な販売も検討されています。訪問中には雨の影響でぬかるんだ道でトラックが立ち往生する場面もあり、厳しい自然環境の中での農園運営の難しさを実感しました。
(アタカ通商 農園訪問記より抜粋)
